この記事の要点
- プロバイオティクス(乳酸菌などの善玉菌)の摂取が、気分に良い影響を与えるという研究が報告されています。
- 不安感についても、良い影響を示す研究が複数あります。
- エビデンススコアは気分で75(信頼性高い)、不安感で60(信頼性中程度)です。
プロバイオティクスの摂取が、気分に良い影響を与えるという研究が報告されています。
研究の対象者には、健康な高齢者や閉経後の女性だけでなく、気分の落ち込みを抱える方、抗うつ薬を服用中の方も含まれています。たとえば、気分の落ち込みを抱える成人71名を対象にした(参加者をランダムに分けて効果を比べる、信頼性の高い研究方法)では、プロバイオティクスを摂取したグループで、気分の落ち込みにつながりやすい思考のクセ(認知的反応性)に関する指標が、(偽薬)グループより大きく下がったという報告があります。
抗うつ薬を服用中の方50名を対象にした別の試験でも、プロバイオティクスを8週間摂取したグループのほうが、気分に関する評価尺度のスコアがより下がったという結果が示されています。また、腸に不調を抱える方110名を対象にした試験でも、気分に関する評価の数値が、摂取開始時と比べて大きく下がったという報告があります(この試験ではプラセボ群でも数値の低下が見られており、両群の差については本文では明言されていません)。
健康な高齢者63名を対象にした試験では、気分に関する評価に加えて、思考の切り替えのしやすさにも良い変化が見られたという結果が出ています。
プロバイオティクスの摂取が、不安感に良い影響を与えるという研究も報告されています。
参加者4,295名を対象にした大規模な(複数の研究結果をまとめて分析する手法)や、1,551名を対象にした別のメタ分析では、不安に関する評価について良い方向の結果が多く報告されています。ただし、後者のメタ分析では、研究によって結果にばらつきがあり、はっきりとした差とまでは言えないという評価も一部含まれています。
テスト前の緊張を抱える大学生60名を対象にした試験や、バドミントン選手30名を対象にした試験でも、不安に関する評価の数値がプラセボと比べて下がったという報告があります。
気分についてのエビデンススコアは75(信頼性: 高い)、不安感については60(信頼性: 中程度)です。
気分に関する研究は6件あり、ランダム化比較試験が中心です。対象者の年齢や健康状態はさまざまで、気分の落ち込みを抱える方を対象にした研究も含まれています。
不安感に関する研究は5件あり、大規模なメタ分析から少人数のランダム化比較試験まで幅があります。研究間で結果の大きさにばらつきがあるため、気分の研究と比べると、評価はやや慎重になります。
いずれの研究も、菌株や摂取量、摂取期間が異なります。すべての人に同じ変化が起きるとは限らない点に注意してください。
どのような人を対象にした研究ですか?
健康な方や高齢者、運動選手のほか、気分の落ち込みを抱える方、抗うつ薬を服用中の方、腸に不調を抱える方なども研究対象に含まれています。
どのくらいの期間、摂取した研究が多いですか?
3週間から12週間程度、継続して摂取した研究が多く報告されています。
不安感と気分、どちらの方が研究の信頼性が高いですか?
気分(エビデンススコア75・信頼性高い)の方が、不安感(エビデンススコア60・信頼性中程度)よりも、現時点では研究間の結果が揃っています。
プロバイオティクスは、気分・不安感のいずれについても、良い影響を示す研究が複数報告されています。研究対象には健康な方だけでなく、気分の落ち込みを抱える方も含まれており、幅広い対象での報告がある点が特徴です。ただし、菌株や摂取量は研究ごとに異なるため、どの製品にも同じ結果が当てはまるとは限りません。
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